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宴。

さて、結婚式、無事に終了しました。

当日朝、9時半に集合と言われていたのに、目が覚めたら9時だった。

やべぇ、また寝坊した。

飛び起きると吾朗が、

「珍しいね、いつもはもっとたくさんアラーム鳴るのに、今日は一回だけだったよ」

とのんきに言ってきたが、そう言う本人は集合時間がオレより一時間遅れのくせに、すでに髪をセットし、スーツに着替えてビシッとしていた。

いや、起こせよ。

急いで着替えてタクシーに乗り、9時40分着。

早く来て館内の各部署に挨拶回りをする予定だったが、吾朗に丸ごとぶん投げる。

まだよく目も開かないままヘアメイク開始。

メイクさんに、吾朗のでっかいニキビの話をする。

吾朗は一週間ほど前からでっかいニキビが出来てしまい、落ち込んでいた。

もともと顔に出来物ができやすい体質なのだ。

やはりストレスか。

病院で薬も出してもらっているが、良くならず、どーにかして!どーにかして!と前夜もずーっと騒いでいた。

「俺が婚礼の最中、『わー!きゃー!』ってなってたのに、いきなり『しゅん・・・』ってなったら、ニキビを思い出したからだから」

「ふふ、そうか。じゃあ酔っぱらって『きゃー!!』って調子に乗りだしたら、隣で『ニキビ・・・』ってささやけばいいんだね」

「そうそう、そしたら即『しゅん・・・』ってなるから」

「ま、大丈夫だよ、メイクさんに頼めば隠してもらえるから。プロに任せなよ」

なのでメイクさんに、吾朗のニキビのことを頼んでおいた。

ヘアメイクが終わって、ドレスを着る前に、一服に抜け出し、戻ってきたら、吾朗が着替え終わっていて、でっかいニキビを隠してもらっていた。

ふむ、やはりプロ、目立たなくなった。

それからは言われるがままに行動。

隣の写真室で写真を撮り、ロビーの階段に移動し、カメラマンの女性(仲良しの和食のおばさんの娘さん)に言われるがままにポーズを撮り、2階の式場に移動し言われるがままにリハーサル。

吾朗ちゃんはオレとお父さんとの入場を希望していたが、お父さんがまだ来てなかったので、とりあえず二人バージョンでリハーサル。

終わるころにお父さんが登場したので、お父さんと一緒バージョンでまたリハーサル。

お父さんに会うのは10年以上ぶりだったのに、突然リハーサル。

でも久しぶりに会った感はまったくなく、普通にリハーサル。

その後そのままの流れで吾朗ちゃんとお父さんと三人で裏口で待機。

しばしの沈黙のあと、

「お父さん、吾朗ちゃんだよ」

と言ったら、突然二人とも立ち上がって、初めましてこんなところですみません、いやいやこちらこそ初めまして、とぺこぺこ挨拶を済ます。

それが終わるとすぐさま式が始まり、こみ上げてくる笑いを必死にこらえながら入場。

吹き出しそうで誰の顔も見れない。

言われるがままに式をこなし、控室に戻ったら、突然ドレスを脱がされトイレタイム。

いや、別に行きたくないけど。

吾朗ちゃんは一服に行っていた。

いいな。

またドレスを着て、親族写真。

唱平の末っ子が、オレを見て怖がって泣いていた。

ドレスがでかいからか?

写真撮影が終わりそのまま披露宴へ突入。

扉の前で入場待ちをしているとき、キャプテンを頼んだ兼子が、2メートルくらい前を歩きながら誘導するので、と言ったのに、扉が開いたらあっという間に10メートルくらい先に行ってしまったので、やべぇ、追いつかねぇ、と言いつつ慌てて追いかけた。

席に着いてからは怒涛の飲み会の始まり。

総支配人の挨拶を聞き(ちゃっちゃとこなすかと思っていたら、思ったより長くしゃべっていた)、森調の乾杯が待ちきれず(話が長いことで有名。思ったよりしゃべりがぐだぐだだった)、乾杯してからは酒を飲み、飯を食い、写真を撮り、おしゃべりし、酒がつがれ、写真を撮り、また飲み、しゃべり、食べる、の繰り返しだった。

吾朗ちゃんも酒が入り終始リラックスした様子で、途中一服に行ったりして、楽しそうにやっていた。

乾杯してすぐに吾朗ちゃんが、

「おうおう、さっそく行ってるわ」

と言うのでメインテーブルを見たら、吾朗の両親がお酒を持って挨拶周りをしていた。

「本当だ、さすがだね」

と言いつつ家の両親を見たら、のんきにテーブルで飯を食っていた。

「まったく動く様子がないわ」

「え、何?妖精?ほんとだ、楽しそうに飲んでる」

「言うの忘れてたわ。気づくかしらね」

「どうだろ、妖精だからな」

でも後半になってちゃんと回っていて、むしろそれに二人で驚いた。

「ちゃんとやってるじゃん」

「長男に言われたのかしら」

始まって30分たったくらいから、高砂に写真を撮ったりおしゃべりに来てくれる人たちが、口々に、おっぱいが、おっぱいが、と言い出した。

吾朗ちゃんに何度も踏まれ、写真を撮るたびにみんなに踏まれ、どんどんドレスがずり下がり、おっぱいがはみ出てきていたようだ。

介添えさん(如水に入った当初から一緒に働いてる人)が何度か懸命にドレスを引き上げてくれたが、また踏まれてはみ出るの繰り返し。

問題は怒られた二の腕ではなく、おっぱいだったようだ。

仕方ないので写真を撮る時はブーケで隠した。

ペーさん(元先輩)が高砂に来てくれた時、

「いやー、ウネ、ほんとありがとう!いや、おめでとうって言うべきなんだろうけど、ほんと、ありがとうだよ、今日は」

と言い出し、え?と思っていたら、

「いやー、もう、あれだよね、到着してロビーであわわ(めぐちんのこと)に会った瞬間から、わー!ってなっちゃって。岩田さんだの辻さんだのいてさ、もう今日来て本当に良かったよ、ありがとうな、ウネ!」

と目をきらめかせて言うぺーさん。

「そうなのそうなの、オレもこんなとこに座ってないで、一緒に飲みたいよー」

「なー!いやー、今日は良い日だ!」

オレがここで働いてる13、4年の間の、懐かしの面々をたくさん呼んでるから、みんなあちこちで挨拶しあったり、おしゃべりしたりして、本当に楽しそうで、良かった。

同窓会だね、こりゃ。

ケーキカットをし、テーブルを回り、その間にも飲んで食べていたので、ロービーが出てきた頃にはお腹いっぱいだった。

もう飲めねぇ、入らねぇ。

吾朗ちゃんと2時間くらいたったし、もう終わりかな、と言っていたら、兼子に、

「いやいやまだだし。これからデザートだし」

と言われがっくり。

本当に満腹なの、もうドレス脱ぎたいの。

サプライズ?のてんとう虫のサンバもこなし、コーヒーを飲んで少し落ち着く。

最後の挨拶で爆笑し(吾朗ちゃんのお父さんが、名前間違えた。長男の嫁が晶江さんというので、顔合わせの時から混乱して間違えていた)、泣き(吾朗ちゃんがお母さんにお礼を言って、感動。立派になったねぇ)、お見送りではみんなと話すのに夢中になるあまりに、吾朗家の人たちをどんどんはしっこに押し出して、途中でお父さんに、突っ込まれた。

「ちょっと、向こうのお父さんがはみ出してるよ!」

見ると床にしかれた赤い布からお父さんは完全にはみ出し、お母さんもはみ出しそうだった。

あ、ごめん。

終わって着替えて一息、ふぅ。

一服して、館内にお礼を言って回り、くたびれた酔っ払いの吾朗引き連れ二次会(近くの飲み屋で開かれたただの飲み)に参加し、その後みんなでラーメンを食べて帰宅。

シャワーを浴びてそうそうに寝落ちした。

お疲れ様でした。

翌日吾朗ちゃんに聞いたら、過去最高に酒が出たらしい。

シャンパン40本だってよ、びっくりだな」

「普通はどれくらいなの?」

「あの人数だったら13本くらいじゃん」

「どんだけ飲んだんだよ!!だからお見送りの時みんなあんな酔っぱらってたのかー」

「いやー、新記録だな」

でもそれが吾朗ちゃんの望み(余興などはせずにただゆっくり飲む会にしたかった)だったから、良かったね。

やっと終わったわー。